標準解答例を見るときは、空間構成の要素ごとに①の解答例と②の解答例で違う部分を探していきます。特に大きく異なっている部分には点差をつけているわけで、分かりやすく採点基準を示してくれています。
建築物の配置が大きく異なっているものを見てみましょう。
平成23年の標準解答例には、北側の2階から上をセットバックしたものがあります。
5階建てなので、採光の事を考えると、北側に居室を設けないか、建物を離したくなります。ただ、この解答例からは、計画している建築物だけではなく、周辺環境も考慮してますという受け取り方もできます。病院側の明るさ、日影、一体的な計画あたりですかね。
設計条件の主文には、病院に併設される施設と書いてあります。「隣に病院がある」とかではなく、少なからず関係性のある性格の似た施設が設置されると言っているわけですから、北側に居室無しで目一杯まで北に寄せました!とはまた違ったパターン出しもできるということになります。
それにしても、主文で併設すると言っておきながら、問題用紙の下の方が開いててスペースに余裕があるにもかかわらず、病院の配置を示すことなく、唐突に出現する集合住宅とそのバルコニーはしっかり表現する。過去問で散見する手口ですね。
あと、明るく家庭的な雰囲気とか自然光を取り入れて明るくと書いてあって、2階以上は余裕あるわけですから、主文の要求に対応するための手段の一つとして、2階床に光庭という建築物の配置計画も可能です。3コマ光庭プランも見たことありますから、平成27年のようにボイド+トップライトからのエントランスへの採光もできるのかも知れません。
平成25年の配置計画もかなり違いがありますね。
周辺環境で説明していますが、エントランスの特記事項に対応した建築物の配置計画・立体構成ということになるわけです。
この年は面積に余裕があって、かなり配置計画の自由度が高かったと思います。試験元はいろいろな配置計画を期待していたと思うんですが、受験生はあんまり自由度の高さを生かせなかったみたいですね。
逆に悪い意味で配置計画の点差がきっちりとついていたようです。
平成29年の標準解答例では余りがちな北側のスペースに、遠くに名峰が見える彫刻ギャラリーが任意で計画されています。
全ての客室を南に向け、彫刻ギャラリーやコンセプトルームから南南東の名峰を見せると共に、建築物の平面形状を整形にするといった配置計画となっているわけです。
さて、それぞれの課題の中で建物を四角にしろとかL型にしろといった設計条件はありません。やはりここでも「このように建築物の配置を計画しました」と言える計画が上位40%に入るために必要なことになります。
設計条件を確認したら、あとは空間構成の項目ごとに、一つ一つ丁寧に計画していきましょう。
蛇足ですが、平成13年に課題文の「屋外施設」が「その他の施設等」に変わっていますが、平成29年からまた「屋外施設」に呼び方が戻ってます。何の意味があるのかは全く分かりません。
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