課題文の設計条件には室の性格として「部門」が設定されることが多いです。
他にも、性格が似ているということを考えれば、部門が異なっていても、利用時間や
上足・下足などの性格でまとめるということもあります。
まずは簡単なゾーニングの例から見てみましょう。平成25年のセミナーハウスです。部門を綺麗に1階と2階に振り分けることができ、ゾーニングとしての難易度は低かったと言えます。
右の標準解答例①では、そのような分け方とされています。
計画の要点でもゾーニングについての設問は特にないので、ここからも重要度の低さ(差がつきにくい)が分かります。ゾーニングを考えさせようとするなら、計画の要点で質問したくなりますからね。
簡単だった中でもポイントとなっているのは和室の位置です。
まとめようと思えば簡単にまとめられるにも関わらず、あえて分けていますね。
研修部門の諸室において、比較的賑やかな性格を持つセミナー室と静かな性格を持つ和室(一室しかありませんが)をそれぞれグルーピングして計画しています。
アトリエはどちらに属しても良さそうですが、同じ部門の中でも、さらに性格ごとに分けるという考え方は押さえておきたいです。
共用・管理部門については、建物の性質上不特定多数の利用者が頻繁に出入りするというものではなく、ある程度特定の利用者となるため、管理部門だけを明確に分ける必要はなかったようです。
この場合「共用・管理部門」としてのゾーニングができていれば問題無いです。
分かりやすい例としては事務室の位置です。
管理部門として考えて見てみると事務室だけ分離されているように見えますが、共用・管理部門として見れば、何の問題もなくまとまっていることが分かります。
もう一つの解答例である標準解答例②では、中央に中庭を設けることによって、1階と2階に分けるのではなく、東西に分けるという形ですが、ほとんどの受験生が、図の標準解答例①のような分け方をしたようです。
標準解答例②のように、一つの部門を上下階に分離する場合において、1階の部門と2階の部門を、部門内の階段でつないでゾーンを形成するという考え方は、下で説明する平成26年の布石だったのかも知れませんね。
次に平成26年道の駅の沖縄の標準解答例を見てみます。沖縄は試験日に台風が来てしまったため、他の地域とは別に単独での試験となりました。
準備期間が長かったからなのか、難易度は高めに設定されていた印象です。
ゾーニングのポイントとしては、不可能ではないにせよ、部門を一つの階にまとめることがボリューム的に難しいため、異なる階に分けた場合に、どのようにゾーンを形成するかという点にあります。
計画の要点では、各部門の構成と配置についての設問があり、部門の構成について難しかった部分をどう考えて計画したのか、それを記述することが求められていたと考えられます。「今回はゾーニングで差がつく試験ですよ」と言っているわけです。
平成25年の標準解答例②のように、部門内の階段で繋ぐことが出来れば、より強いゾーニングとなり、計画の要点でも強力なアピールが出来たと考えられますが、それが出来た受験生はほとんどいませんでした。
標準解答例では、店舗・飲料部門を1階と2階に振り分けています。
断面図を見ると分かりやすいですが、適切な場所に設けるよう要求されていた吹抜けを使って、別れたゾーンを繋いでいます。
また、サービス用EVで裏動線を繋ぐことでも、ゾーンの繋がりを強めています。
サービス用EVでの繋がりに関しては、平成27年で要求事項として出題されています。
この課題では、利用者が不特定多数となるため、共用・管理部門の中でも事務室など管理系諸室は、管理部門としてのゾーニングとなりますが、店舗・飲料部門として要求されている厨房や仕分け室などは管理部門とゾーニングする必要はありません。店舗・飲料部門としてゾーニングし、その中でサービス系諸室としてグルーピングします。
管理部門と一緒にまとめることが出来れば管理とサービスをゾーニングしますが、全体のバランスや要求事項を考慮し、分けたほうがうまくいく場合は分けるということを覚えておきましょう。
部門が違うので、必ずまとめなければいけないということはないです。
また、この課題では24時間利用のゾーニングもあります。
24時間利用とされているのは、休憩・情報部門と物販店舗(A)ですが、標準解答例ではエントランスホールも24時間利用とすることで、利用時間によるゾーニングを形成しています。
この他にも、休憩・情報部門と物販店舗(A)を隣接させる方法でのゾーニングも考えられます。
ちょっとしたことですが、2階のロビーを見ると面積から4㎡引かれており、共用部であるホールと便所を繋いでいます。試験元のゾーニングへのこだわりが感じられますね。
平成26年は新試験となって以来、最もゾーニングが難しい課題に見えますので、よく復習しておいたほうが良いと思います。
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