2016年2月11日木曜日

空間構成 建築物の配置計画

合格基準の空間構成の一つに建築物の配置計画が設定されています。

設計条件として与えられた敷地に建築物をどう配置するかによって影響してくる要素としては、アプローチ計画や外部施設の計画等があります。
どのように計画するにせよ、「配置計画をしました」と言えるよう、無駄なスペースは作らないということが大前提です。


配置計画は、道路や公園など、敷地に直接接する部分の計画となる為、周辺環境に配慮して計画したことを伝えることが重要です。

特にアプローチ計画については人の流れを考える事となるため、意味のある計画とする必要があります。


分かりやすい例としては平成22年の周辺条件があります。敷地北側に幅員が広く人通りの多そうな歩道付きの道路があり、東側には公園駐車場があるため、利用者のメインアプローチは北側から、管理のアプローチは東側からとするのが自然な計画です。

エントランスホールの特記事項に「アプローチは、公園又は遊歩道からでもよい」とあることや、計画の要点でアプローチについて記述させる設問があるため、必須ではありませんが、可能であれば公園や遊歩道からのアプローチを計画すると、周辺環境への配慮を採点者に伝えやすいと言えます。

また、その他の施設として要求されている屋外創作広場には、公園及び遊歩道との動線に配慮するという設計条件が設定されているため、これを満たそうとすると広場の配置は敷地南西側となります。

最近の傾向や試験制度の見直しの主旨を考慮すると、このような細かい指定や、配置がほとんど決まってしまうような設計条件というものは、今後減っていくことが容易に想定できます。

ただし、考え方としてはこのような形となるため、基本的な考え方として理解しておきたいです。



周辺条件だけでは判断しにくい例として平成27年があります。道路と敷地の関係は平成22年とよく似ていますが、東側の道路は歩行者専用道路となっており、商店街が立ち並ぶという環境であることから、要求室の条件によっては利用者のアプローチを計画することも考えられます。

要求室の条件には、レストラン及びギャラリーについて商店街との連続性を配慮するとあることや、計画の要点でアプローチについての設問があることから、東側から利用者のアプローチを取り、商店街と性格の似たレストランとギャラリーを配置する方が、採点者に伝わる文章が書きやすいと言えます。

もちろん東側以外にレストラン等を配置することもできますが、相手に伝わる記述を書くという点でも難易度は上がります。

また、公園からのアプローチについてですが、平成22年では公園からでも良いという条件があったのに対して、平成27年では特にそのような条件がなかったにも関わらず、標準解答例では、公園管理者と協議したという補足文章を記載することで、利用者のアプローチを計画しています。
特に設計条件に書かれていなくても自分で設定して公園からのアプローチを計画しても良いということですね。この場合、厨房への搬入動線が難しくなってしまいますが、それだけ利用者の動線が重要であるということが理解できます。

なお、補足文章には「昼間に施設から公園へアプローチできるようにした」と書かれていることや、デイサービス用EVホールへのアプローチであることから、この標準解答例では施設利用者の中でも、デイサービス部門の利用者が公園にアプローチするためのものであることが分かります。


配置計画を軽視している受験生が多いのですが、空間構成の項目であることからも、どう考えてもいい加減に扱っていいものではありません。
植栽をきれいに描くだとか、タイル目地をたくさん引くとかいうことではなく、建物の配置や外部施設、そして利用者のアプローチなどの計画をしましょう。


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